不動産ディスプレイについて、その広告効果やコンテンツの有効的な配信方法、導入事例などをご紹介していきます。
普及が進むディスプレイ型広告ではありますが、今一つ使い方や効果がわからないなどといった場合には、是非、本記事をご覧いただければと思います。
そういったわかりにくい部分を、わかりやすく解説しています。
集客率向上や見込客増加という目標に対して、何らかの手を打ちたいと考えている経営者や店長向けに、効果的な宣伝手法をお伝えしてまいります。
紙による宣伝から脱却し、デジタル式の宣伝手法に切り替えてみてはいかがでしょうか。
※この記事は約5分程度で読めます。
不動産のディスプレイ広告効果について
公共施設や商業施設に置かれるディスプレイに、通信技術を併せたデジタルサイネージは、インターネットに続く情報伝達手段として、不動産業界の間でも普及し始めています。
デジタルサイネージの効果について、米国のDPAA(Digital Place-Based Advertising Association)は、人が通行中にディスプレイに注目し、一定の時間以上滞留しているという条件から算出するAUA(Average Unit Audience:平均視聴者単位)を指標として、提案しています。
人がディスプレイ広告を視聴している時間と、広告が一通り流れる時間の比率を測り、広告ユニットのインプレッションを算定します。
広告を視聴する人数と時間を正確に測定する方法は、人が見張ると上手くいかないため、顔認証技術が使われたカメラなどが利用される傾向にあります。
日本のDSC(デジタルサイネージコンソーシアム)は、ディスプレイの設置場所に重点を置き、5つのロケーショングループに分け、到達数と設置場所の質が評価されています。
効果測定に必要な技術と合わせて、効果測定の標準化が早い段階で実用化され、その測定手法が広がっていくと予想されています。
DPAAとDSCは、ディスプレイ広告など、デジタルサイネージ効果の具体的な測定方法について、必要な情報提供を目的とした視聴効果測定テクニカルガイドラインを作成しました。
視聴態度・情報の有益性・コンテンツの工夫・視聴人数・タイミング・ニーズとのマッチング、といった観点がポイントとなります。
PT調査(PT:パーソントリップ)では、人の動きを調査した統計データがわかります。
この調査と他のデータを分析することで、ディスプレイ広告への活用につながります。
例えば、人口や土地利用の状況など、対象地域の特徴を把握することができます。
交通サービス水準データと、PT調査の生成原単位などを組み合わせることで、駅からの距離による状況分析などができます。
また、ディスプレイのロケーションによるターゲティングも可能となります。
不動産会社のウィンドウであれば、人が滞留する時間が長くなる可能性もあるため、動画配信との相性が良くなると考えられます。
現在では、ニューロマーケティングの実践により、広告主が提供する動画の狙いと、視聴した人に与えた印象とのギャップまで分析することができます。
動画広告におけるシーンごとに、与えた印象の分析など、商用化が開始されています。
口述・記述によるアンケートでは、動画広告の内容について精度を上げることに限界があるという説もあります。
動画広告であれば、人が持つ無意識のニーズを顕在化させる可能性を秘めています。
不動産ディスプレイの広告効果を上げる宣伝手法
潜在層に対する宣伝手法
戦略を考える場合は、焦らないことが大切です。
同じ不動産でも、動画の撮り方を変えることで、見せ方を変えることができます。
同じ物件に対して違ったアピールを繰り返すことで、人はその物件を見る回数が増えます。
全く同じディスプレイ広告を見るより、抵抗なく認知度の向上を図ること可能で、好感度を上げる目的にも使われる手法です。
別の方法として、あえて未完成の動画広告を作成するものもあります。
その動画を見た人が、続きを知りたくなるように誘導するディスプレイ広告にします。
結論は店内に入ればわかる、または、1週間ごとに内容を更新するなどの告知をして、足を運んでもらうような広告を作成する手法もあります。
少し不安を感じさせるといった手法もあります。
例えば、「リフォーム仕立ての角部屋が残りたった1室だけに」、というような広告です。
いずれも、潜在層をターゲットとしています。
見込層に対する宣伝手法
見込層をターゲットとする不動産のディスプレイ広告は、金額を数値で提示した直後に、何らかの理由をつけて別の額を表示するようにします。
今なら期間限定で安い金額で契約できるなど、メリットが感じられるような提示の仕方が望ましいでしょう。
限定性や、希少性の高さをアピールすることも広告手法の一つです。
ターゲティングが明確であれば、配信する動画に全て本命の物件をアップするよりも、ディスプレイ広告に興味を持ってくれれば良いもの、本命、本命の印象を残すような別の物件をアップします。
選択肢が多すぎても、失敗したくないという意識を生じさせてしまう可能性があります。
信頼性のアピール
信頼性のアピールも重要です。
動画広告で紹介された物件と実物に、あまりにも違いがあってはならないというマッチングリスク意識に対処するためです。
ディスプレイ広告の中で、インタビューや口コミなど、第三者からの意見を紹介するのが良いでしょう。
この場合、プライバシーには十分な配慮が必要となります。
広告における効果的な色の使い方
そして、色の使い方も大切なポイントとなります。
最初の90秒程で、紹介された不動産について、無意識に評価を行っています。
およそ60~90%の人は、その評価を色によって判断しているとされます。
法律関係や金融機関などは、青色が安心感を与える効果があります。
紫は高級感、緑は平穏、オレンジは親しみやすさがあります。
黄色は注意喚起の色で、ディスプレイ広告に使用する場合は、短時間で人の目を引く場合に効果的となります。
赤色は緊急の色で、衝動買いの誘発となる可能性がある色です。
商品では、黒で記載された値段より、赤で記載された値段が安いと思う心理が働く傾向があります。
清潔感があり、空間を広く見せる白色は、不動産の広告に向いています。
動画を撮影する場合は、背景に著作物が映らないように配慮することも大切です。
不動産のディスプレイ広告内容とメリット・3つの事例
ディスプレイ広告を利用することで、従来の不動産会社に定着したイメージを、明るく接しやすいイメージに変え、2次元で得ていた物件情報を3次元で、静止画から動画で提供することが可能となります。
ディスプレイ広告の内容やデザインは、顧客の立場から検討し、作成することが重要です。
ディスプレイ広告は、スタッフと顧客が接する第一歩となります。
事例1.
ディスプレイ広告を導入して、集客効果が高まったことはもちろん、不動産情報を作り替えたり、1件ごとにカラー印刷して張り替えたりする手間が省けました。
従来の店頭看板は地面に置くタイプで、目立たない上に、十分な情報提供ができない状態でした。
ディスプレイ広告では、地域や店舗に特化した情報まで提供できるので、充実した内容をお届けすることができるようになりました。
音声と映像を配信できるため、店頭で足を止める人が大幅に増え、店舗に興味を持ってくれる人が増えたこともメリットです。
営業時間外に見た物件について尋ねられる方も現れ始め、ディスプレイ広告は24時間効果があると実感できます。
営業時間を過ぎても明るい店舗は、治安も良くすると感じています。
事例2.
ディスプレイ広告を導入して、しばらくは集客率の向上と業務改善の支援を果たしていましたが、都会にも関わらず、その後の集客率が停滞しました。
自社ホームページの検索ワードに、口コミと加えて検索されていることがわかり、社員が集まり問題点を見直すことになりました。
口コミの内容には問題となる点は挙げられていなかったのですが、口コミを参照するということは信頼を得られていなかったのではないか、ということを課題とし、社員紹介や口コミに関するデータもディスプレイ広告で配信することを試みました。
初めてディスプレイ広告を導入した時のような集客状況を見て、接客だけでなく、広告の定期的な見直しが鍵を握るということを実感しました。
事例3.
ディスプレイ広告を導入し、物件・地域性・時間帯による客層・スタッフ・キャンペーンなど、動画を配信していました。
データ分析を行ったターゲティングも実現するつもりでした。
しかし、通行者が立ち止まる時間が短く、問題点の洗い出しを行いました。
その結果、問題は中身ではなく、動画のデザインにありました。
長く閲覧していると目が疲れ、一定時間の情報量が多いように感じました。
イメージと合わない配色、ポイントがわかりにくい構成でした。
見やすくわかりやすい内容となるよう、配色は目を疲れさせず、ポイントとなる部分は左側へ寄せ、情報が得やすくなるよう工夫を凝らしました。
営業時間を過ぎたら、市場や金利などのニュース配信や、より充実した内容とすることで、気軽に閲覧できるというディスプレイ広告のメリットを活かしていく予定です。
まとめ
不動産ディスプレイの効果やどういったコンテンツを配信すると有効なのか、導入事例などについてご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。
近年、普及拡大が続くディスプレイ型広告ですが、用途によってさまざまな使い方をすることができます。
店舗の集客率が伸び悩んでいるケースや、より多くのお客様を惹きつけたいなどといったニーズのある店舗において、ディスプレイ広告は有効な手段と言えます。
他の不動産との差別化を図るという点においても、ディスプレイを設置することによる効果は大きいものがあると言えるでしょう。
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