今後、必要とされる不動産管理システムと題して、不動産管理システムに焦点をあてて、解説を行っていきます。
不動産管理会社側も、物件を探す側もよりニーズにマッチしたWebサイトが存在することによって、両者にメリットがもたらされます。
物件を探す側としては、自分の欲しい物件情報を簡単に検索できることがニーズであり、そういったニーズに応えることで、管理会社側も成約につながる可能性が高くなるというメリットがあります。
両者をつなぐ不動産管理システムとは、いったいどのようなものなのか、本記事をご覧いただき、参考にしていただければ幸いです。
※この記事は、約5分程度で読むことができます。
ITと不動産業をつなぐ不動産管理システム
不動産管理システムとは、要約すると、不動産会社の各業務に対して業務効率を上げるためのシステムのことです。
提供形態としては、パソコンにインストールするローカル型や、インストールを必要としないクラウド型などがあります。
後者は、ユーザー側でのメンテナンスは不要ですが、セキュリティ強化が必要なケースもあります。
基本的な機能は、以下の3種類です
- 空室物件一覧表・募集物件図面・チラシ・小冊子・契約時精算書/明細書・解約時敷金精算書・契約書類(含更新契約)生成
- 自社ホームページ・不動産ポータルサイトへの連動
- 顧客管理・仲介管理・入出金管理・スケジュール管理・反響管理・賃貸管理・エリア管理・過去の物件情報管理
同一物件に対する最新情報を複数人数で共有可能で、編集を行えば履歴によって確認することができます。
近年では、iPadを利用した物件周辺の施設案内も取り入れられ、接客力の強化につながっています。
不動産ポータルサイトには、スーモやat homeなど多数あります。
不動産物件の情報収集を行うことができる、Webサイトです。
IT化によって、情報公開がスピード化しています。
実際に不動産業者に管理されていない物件情報や、集客目的のおとり情報も存在します。
入居希望者が部屋探しをする際に、会員になるという条件がつく場合もありますが、新着の物件情報をメール配信できるサイトもあります。
不動産ポータルサイトを利用するにあたって、入居希望者の期待に沿える正確な情報開示が重要です。
不動産ポータルサイトによる1ヶ月における集客率は、8割未満に留めることがリスク回避につながります。
ポータルサイト側の値上げや、何らかの事情による掲載延期・中止される可能性も無いとは言い切れません。
自社サイトの改善、デジタル広告、チラシ配布など、他の媒体による情報公開と集客力の向上を実践しておくことも重要となります。
不動産ポータルサイト登録によるメリット
不動産ポータルサイトに登録することのメリットは、物件情報を入力することで、情報公開が可能となり、業務の効率化につながることです。
そういった意味で、効果の高い集客を望むことができます。
集客はポータルサイトが行い、物件の掲載数が豊富になります。
顧客との時間を大切にすることができ、信頼につながる質の良いサービス提供を行うことができます。
不動産ポータルサイト登録によるデメリット
デメリットは、ポータルサイトのシステムが変更された場合に、大きな影響を受けることです。
Web上の情報は平等で、掲載できる情報が決まっているため、自社サイトに比べてオリジナリティに欠けます。
また、提供できる画像の枚数も限られています。
諸事情によって突然のサイト閉鎖が行われた場合、対処法を決めておかなければ、物件に対する問い合わせが大幅に減少してしまいます。
入力内容と実際の状況が異なった場合、クレーム対象となることもデメリットと言えるでしょう。
仲介・代理が不動産ポータルサイトを利用するメリットとは
不動産会社は、取引形態の明示が義務付けられています。
取引形態は、以下の3種類です。
- 自らが売主・貸主
- 売主・貸主の代行
- 仲介する立場
販売代行は、売主・貸主の代わりを務めるため、原則として仲介手数料が必要ですが、不要の場合もあります。
仲介は、売主・買主あるいは貸主・借主の間に入って取引を行います。
仲介の場合は、仲介手数料が発生します。
不動産仲介会社がポータルサイトに登録するメリット
不動産仲介会社が不動産ポータルサイトに登録するメリットは、利益向上を目的とした契約の成立にあります。
不動産仲介会社は会員として登録し、公開物件だけでなく、非公開物件・確認前物件・予告物件の情報を取得することができます。
売り主が物件情報について変更を行った場合でも、ポータルサイトからのメールによって最新情報を得ることができます。
物件データは、ダウンロードによる取得も可能です。
物件それぞれの建築工程の写真を閲覧できるため、物件管理にも役立ちます。
各ポータルサイトとの連携を取りながら、不動産情報を広範囲に開示することができます。
そのため、ポータルサイトを利用することで、仲介手数料という利益へのつながりが高速化されることがメリットと言えます。
仲介手数料に着眼点を置き、ポータルサイトの運営で仲介業務を行えばどうなるか、利益向上のためにオンライン仲介ビジネスを立ち上げないか、という趣旨のサイトも見受けられます。
不動産会社の販売代理がポータルサイトを利用するメリット
一方で、元付け不動産会社のみ登録を受け付けるという不動産ポータルサイトもあります。
不動産会社の販売代理が不動産ポータルサイトを利用するメリットは、信頼を深める契約の成立にあります。
売り主が販売業務を委託する代理の場合、必ずしも仲介手数料を必要とするとは限りません。
売り主からの委任状に物件の売買契約が成立した場合は、代理報酬が支払われるという記述があれば、売り主から報酬が支払われます。
不動産会社の販売代理は、ポータルサイトを利用した物件紹介をもとに、多くの顧客と接することを目的とします。
物件を選択した理由、間取りを決めた理由、ライフスタイルなどを十分に聞き、疑問点に答え、課題があれば解決し、売り主と顧客との信頼関係を築くことに重点を置きます。
物件を売るだけではなく、その物件の価値を高めることも目標として取り組んでいます。
例えば、ビルの空き室を埋めるだけではなく、そのビル全体を良くしたい、という意見もあります。
多くの情報量に埋もれている物件であっても、顧客の要望とマッチングした結果が良いと判断すれば、契約の運びに至るように全力を尽くします。
便利な不動産管理システム3選
COMPANY Real Estate Management
各種不動産データを通じて、プロジェクトマネジメントやポートフォリオマネジメントを容易に行えるようになります。
プロパティマネージャーがオーナーと同じグループ企業の場合、オーナー側の会計や取引情報も管理することができます。
権利関係・管理形態・契約形態等の変化に対し、定められた費用の範囲内で運用・保守を行います。
不動産の収支情報、見込み情報を共有・可視化できます。
請求~入金処理までをスムーズに連携し、一元管理を行うことが可能となります。
メリットは、1つのシステムで、物件別の予算管理や実績管理・分析まで行うことができることです。
マンスリーレポートが自動作成されるため、人的ミスが軽減されます。
デメリットは、中規模・小規模の企業の導入に対応していないことです。
賃貸住宅管理システム OBIC7
複雑な賃貸管理業務の効率化、入居者へのサービス向上など、入居者・オーナー・賃貸住宅管理会社にメリットを提供します。
機能は、物件管理・契約管理・取引先管理・工事管理・請求/入金管理・精算管理・支払管理・募集支援・クレーム/履歴管理があります。
募集支援に外部ポータル連携機能が備えられています。
履歴管理には、物件ごとの家賃設定履歴、退去精算時の工事履歴、オーナーとの管理契約履歴、滞納者との交渉履歴などがあります。
契約・更新・解約状況が承認・進捗管理機能によって、すぐにわかります。
管理帳票機能・全帳票プレビュー・Excel連携機能も備えています。
IDやパスワード設定に加え、担当者ごとのメニュー制御、実行ログ履歴チェックによって、セキュリティが強化されます。
メリットは、履歴管理より経営分析や交渉業務に活用できることです。
承認・進捗管理機能によって、各業務の事務処理の進捗を瞬時に把握できます。
デメリットは、工事管理・物件査定・物件検索などはオプションになることです。
アビーム不動産管理ソリューション ACRES
ACRES(Abeam Cloud RE Solution)はCRE戦略を推進し、不動産を多く活用する企業を支援します。
SAPジャパンのERPパッケージ「SAP ERP」がベースとなっています。
開発管理など基幹システムと合わせた不動産の全体的な管理だけでなく、既存データを活用したレポーティング機能を部分的に利用できます。
業務一元化機能は、物件情報管理・賃貸借契約管理・債務管理・債権管理です。
メリットは、操作性が高く、グラフィカルな表示により迅速な意思決定を支援できることです。
デメリットは、予算や工数の関係で、システムが備える機能を十分に活用できない場合があります。
まとめ
不動産管理システムについて、その概要から、仲介・代理店の視点によるメリット・デメリット、管理システム3選にいたるまでご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。
不動産業界は時代の流れを反映していて、管理が大変になってきている面もありますが、サイトやシステムを上手く活用することで、より効率的な経営を行うことができます。
今回ご紹介したシステムの他にも、多くの管理システムが存在するので、そういった中から、自社に合うシステムを選択して活用してみるのも一つの手と言えるでしょう。
いかに効率的に集客して、費用対効果を高めていくかが、不動産業界においてポイントと言えます。
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