不動産仲介業において、物件情報はレインズというサイトによって共有されているため、店舗による情報量の差はそれほどありません。
つまり、どの不動産屋へ行っても、詳しく調べてみると同じ物件が見つかるのです。
たとえ店舗内のきれいなレイアウトや、お客様のニーズに合わせて適切な物件を提供する営業マンなどを持ち合わせていても、お店に人が来なければ宝の持ち腐れとなってしまいます。
これは不動産会社に限らず、どのような商品でも共通することですが、扱う物件自体にそれほど差がない不動産仲介業においては、集客・PR方法が特に大切な要素となるのです。
新規開業をされる場合は、知名度やブランドのようなが備わっていないので、これらは必須ということができます。
顧客が店を選ぶ基準となるのは、「希望する地域の近くにあるか」や「目についたお店であるか」、「入りやすい雰囲気か」などではないでしょうか。
目についたお店かどうかということはそのお店の存在を知ってもらい、「入ってみよう」と思われることが大切です。
まずは、多くの人に認知してもらうことが大切で、その中から興味を持ってもらい、お店へ入る人や物件を購入する人をできるだけ多くすることが集客のポイントとなります。
入りやすい雰囲気かどうかは後ほど詳しく述べますが、人の心情に影響を与えるものです。
店に入ってもらう人を増やすための宣伝は重要ですが、その際に押さえるべきポイントを見ていきましょう。
不動産仲介業でよく使われる6つのPR方法のメリット・デメリット
不動産仲介会社がお客様に向けて物件を知ってもらうための方法として、店舗などでの物理的なPR手法と、WebページなどによるPR手法について、6つの方法をご紹介していきます。
店頭などでの物理的PR
1.店頭看板
大きめの店舗やビルの2階以上に店舗がある場合は、お店の存在を知ってもらうために店のすぐ近くに看板を立てます。
看板を設置すれば、そこに長期的に宣伝スペースを確保することができます。
その反面、表示面積が小さいものも多く、表示できるものは数枚ほどの物件やキャンペーン情報ということになってしまいます。
また、設置型ではなく、簡易の看板を置いておくだけのもの(捨て看板と呼ばれます)は、撤去や罰則の対象となってしまうので気をつけましょう。
2.ビラ、チラシ
住宅街などに向けては、看板設置の他にビラ配布やチラシの貼り付けなども行います。
電柱やコーンに無許可で張り付けられているものは、違法なので気をつけましょう。
店舗のガラスにビラを大量に貼り付ける方法もありますが、多く貼りすぎると店舗の中が見えにくくなって、お客様が入りにくく感じてしまう可能性もあるので、適度な量に抑えるのが良いでしょう。
看板にも共通して言うことができますが、成約済物件の更新をこまめに行うことで、限られたスペースを効率良く活用することができます。
広告を貼り替える手間がかかりますが、「顧客が物件を見て買おうと思って店に来たのに、すでに成約済みだった」ことによるクレームも抑えられるでしょう。
3.DM(ダイレクトメール)送付
店頭などに貼りつけるビラとは異なり、各家庭へ送付するチラシやカタログのことを指します。
現物が手元に届くので、DMの存在を認識してもらうことはできますが、送り先の人に不動産や住宅に対する興味がなければ、詳しく見ることなく捨てられてしまいます。
大量に送って、その中で興味のある人に手に取ってもらう形態となるので、興味のあるターゲットを判別して送付することができないと、宣伝コストに対する効果は低くなります。
Webページ
4.HP運営
不動産会社のHPにおいて人目を引くようなデザインへの変更や、物件情報を検索しやすくすることで登録、店舗来店まで繋げられます。
Webページ作成にはプログラミング、デザインなどの技量が求められるので、自社で行うことが難しければ他の業者などに委託するのも良いでしょう。
ページ作成後も内容の更新を行うことで、最新の情報が載っていると認識してもらうことが利用者の増加につながるでしょう。
HP、ブログなどは一度投稿すれば、有用な情報であればWeb上に残り続けるもので、ストック型サービスと呼ばれ、長期的には高い効果を発揮するPR方法と言えます。
5.不動産ポータルサイトへの掲載
不動産の物件情報が集まっており、利用者が多いサイトへの登録も現在では重要になってきています。
店舗に行って営業マンと話をしながら物件を決めていくスタイルが主流なものの、遠方の引っ越しなどでは予めWeb上で物件情報を確認してから、実際に見に行くケースも増えています。
HOME’S、SUUMOなどのメジャーな不動産ポータルサイトへの掲載は、多くの不動産会社が行っています。
ただし、あまり多くのサイトに登録しようとすると、コストがかさんでしまうので注意が必要です。
6.SNS (Facabook,Twitterなど)
最近はSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)の利用者増加から、会社公式のFacebookページやTwitterアカウントを持つ会社も増えてきました。
これらは手軽に情報発信できるため便利なものですが、情報発信をしてからある程度時間が経つとタイムラインから消えてしまい、検索エンジン(Google、Yahoo等)から見ることもできなくなってしまいます。
すなわち、情報を受け取ってもらうためには、繰り返しSNSへ投稿する必要があります。
このようなスタイルのものはフロー型サービスと呼ばれ、短期的には有効であっても、長期的な面では情報が残らないことが難点と言えます。
「数撃てばあたる」、「声かけでひと押し」は不動産仲介ではもろ刃の剣
これまでに取り上げた宣伝方法は店頭やWeb上などの場所に物件情報をおくものでしたが、人に直接働きかけるものもあります。
例えば、個人営業など見込み客のもとへの訪問や電話によって物件紹介を行うものがあります。
上手くいけば顧客が店舗へ来なくとも、物件情報などを対面で話すことができて有効ですが、顧客に”興味がないのにつきまとわれた”と感じられると、嫌悪感を抱かれてしまう可能性があります。
場合によっては、悪いうわさが口コミで広まる恐れもあります。
店頭での呼び込みや店内で物件情報を見ている顧客への声かけでも同様に、「ちょっと見ているだけだから話しかけないでほしい」と思う人もいるかもしれません。
一度悪い印象を持たれてしまうと、それ以降は利用されなくなってしまうでしょう。
物件は人によっては数十年にもわたって利用するものなので、選ぶ際には自分が満足するものを選びたいと考えるものです。
無理な声かけを行わずに、必要な時に対応してくれるというような信頼関係の構築も大切なのです。
個人営業やDM送付のようなアウトバウンドマーケティング、もしくはダイレクトマーケティングと呼ばれるものは、準備はそれほど必要なく多くの人に届けることができますが、アプローチ数に対する反応の割合は高くありません。
不動産仲介業では物件情報が詳しいエリアがそれほど広くなく、見込み客も限られるでしょうから、一人ひとりの顧客を大切にする意識も重要です。
自然に店舗へ来てもらうための集客は:インバウンドマーケティングのすすめ
一つ上の段落でご紹介したような訪問や電話営業の反対がインバウンドマーケティングと呼ばれるもので、Webページやディスプレイ型電子看板(デジタルサイネージ)などが該当します。
インバウンドマーケティングは無理に押し付けるのではなく、興味を持った顧客に来てもらえるような状況をつくるものです。
自社のHPであれば、様々なコンテンツを充実させて検索しやすくさせるのが一つの方法です。
他にもデジタルサイネージであれば、タッチパネルを店頭や店の窓ガラスに設置すること、店内にタブレット端末を置くことで導入することができます。
Webページのように様々な情報を自分で調べることができて、歩いていたらふと目について近づいてみるというような手軽さも大きな魅力です。
窓ガラスにチラシばかり貼ってあるイメージの不動産屋に、ディスプレイがあるのは画期的ですし、ちょっと見てみようと思う人も多いでしょう。
そこから物件を検索して選んでもらい、契約のための会話をすることで、「商品を選ぶ時に店員と話すよりも自分でじっくり選びたい」、と考えている顧客の心理的負担もやわらげられるでしょう。
このように、目に見える顕在的ニーズだけでなく、お客様の深層にある潜在的ニーズに対してアプローチできると、より店舗に興味を持ってもらったり物件を購入してもらえるようになるでしょう。
また、デジタルサイネージは24時間稼働させることができるので、窓ガラスに設置すれば営業時間外でも宣伝効果があります。
仕事帰りにふと立ち寄って物件を調べ、後日契約に行くということも可能になるので、顧客側にとっても利用しやすいものと言えます。
まとめ
不動産会社における様々なPR方法をご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。
どの方法にも一長一短はありますが、考えるべきことは、お客様に興味を持たせることができるか・興味、関心を持っているお客様が利用しやすいものであるかです。
また、狙いたい顧客層に向けた適切なアプローチをすることも重要です。
例えば、「営業時間中にはお店に行けない・他の不動産屋でも良いけど、入りやすいところが良い」という人々へアプローチするには、デジタルサイネージが一役買うでしょう。
この機会に、集客数増加のためにお店の宣伝手法を見直してみませんか?
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おわりに
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