投資を行う際に、安定性という観点から見ると、不動産投資は一定程度安定性があると考えることができます。
しかし、当然ながらリスクもつきものであり、メリットだけでなくデメリットも適切に把握しておくことで、身の丈にあった資産運用をすることができるようになります。
投資を行う前にはまず、適切な知識を身につけて、どういった点に注意して投資を行っていくと良いのかなどを把握しておくことが大切です。
本記事では、不動産投資のメリット・デメリットや様々なリスクと対応策をまとめているので、投資を考えている方は是非参考にして下さい。
不動産投資のメリット・デメリットと重視すべき「収益性」
マンションの需要は景気の良し悪しに左右されず、比較的安定していることから、物件を安価で購入して購入額より高値で売却することによって利益を上げることや、購入物件を賃貸として貸出して家賃収入を得るなどといった投資目的の物件購入は依然として人気があります。
売却利益、定期的な家賃収入は魅力的ですが、一方でリスクも少なからずあるということを認識しておくことが大切です。
ローリスクハイリターンになるように、慎重に物件を選んで扱うことが不動産投資で得られる利益を大きく左右すると言えます。
では、不動産投資のメリットとデメリットについて、ご紹介していきます。
メリット
担保価値が高い
物件は担保価値があるため、金融機関を問わず、比較的不動産購入目的の借り入れがしやすいことから、元手となる資金の大小を問わず始めやすいことが大きなメリットです。
投資としての安定性
不動産価値、家賃相場は比較的変動が少ないため、株式や先物などの投資に比べて安定していることが強みです。
長期投資が可能
管理、修繕計画がしっかりしている物件であれば、建物がある限り価値を失いにくいです。
価値ある物件に投資して運用することで、安定した収入が得られます。
デメリット
収益に上限がある
株式投資などに比べて価格の乱高下が少ないため、不動産価値や家賃相場は暴騰もないということになります。
あくまで、安定した利益を求める方に向いている投資と言えます。
不可避なトラブルの対応
家賃滞納、事故、クレームといったトラブルの対応義務が生じます。
トラブルの内容によっては、損害・損失の可能性もあります。
換金性の脆さ
株などは売却すれば、すぐ現金化できるのに対し、不動産は現金化までに時間を要します。
売却の際、買い手がなかなか見つからないというケースもあれば、買い手が見つかり順調に手続きを進めても、現金化には最低2週間ほどかかります。
以上のメリット、デメリットを把握した上で、「収益性」を重視した物件選びが投資の成功・失敗を分けるポイントと言えます。
まず重視すべきは、「立地」「環境」「物件の個性(外観、内装、築年数、間取り、広さ、設備)」です。
特に立地についてですが、「不動産=立地」と言っても過言ではありません。
やはり、都心部に近くて最寄駅に近い物件は人気ですし、災害(地震、水害など)リスクの有無も重視されます。
また、ファミリー向け物件の場合は幼稚園、保育園、学校の選択肢や通学のしやすさも魅力となります。
続いて環境面ですが、立地とセットになっていることがほとんどです。
治安、ブランド力、利便性が高ければ高いほど、価値と人気も高まります。
最後に物件の個性についてです。
築年数の浅深に関わらず、耐震性や間取り、リフォームによる改善余地、リビングの広さ、そして+αの価値となる設備の充実度が高ければ高いほど、リスクを減らすことができて、より確実なリターンが得られます。
不動産投資でチェックすべきは「改善余地」の有無!
不動産投資目的での物件選びにおいて、特に力を入れてチェックしたいのが気になる点、不利になる点の「改善余地の有無」です。
新築マンションとなるとなかなか難しいですが、中古マンションの場合、最低でも以下の点は欠かさずチェックしておくべきポイントです。
- 住民層、住民間のトラブルやクレーマーの有無
- 日当たり、風通し、見晴らしの良さ
- 近隣の建物との位置関係(特に南側。建物との距離が近すぎない、空き地がないことが重要)
- デメリットとなる近隣施設(墓地、葬儀場、遊技場、アミューズメントホテル、高圧電線など)の有無
- 外観、内装の劣化度、管理状態
デメリットとなる要素が一つもなく、好条件を全て満たす物件はまずありません。
そこで重視したいのが、「自己で改善、解決ができるかどうか」、「リフォームなどでカバーできるかどうか」の2点です。
例えば、内装の劣化や間取り、設備などはリフォームでの改善が可能です。
もちろん費用はかかりますが、物件を整備して充実させることでカバーできるだけでなく、工夫や方法次第では価値と魅力も高めることができます。
しかし、近隣施設や住民トラブル、また物件の構造的なものに対する改善解決は難しいと言えましょう。
外観であればコンクリートのひび割れ、タイルの剥がれならば美観を損なっていることで、第一印象や外観にこだわる購入者にとってはマイナスポイントとなりますし、万一災害が起きた場合の耐震性、安全性にも大きく関わってきます。
内装で言えばクロス、床畳、浴室、洗面、トイレ、キッチンなどはフル交換可能ですが、窓の冊子やガラス、玄関、床や天井のコンクリート部分、梁、柱、配管が通るPS(パイプスペース)部分は共用部分と見なされるため、手を加えることができません。
改善できないだけに状態の良さが重要となります。
また、気をつけたいのが物件の管理規約についてです。
管理規約は物件によって異なりますが、防音に関するフローリングのリフォームに関しては、規約によって手を加えることが禁止されているケースもあります。
騒音のしやすさや騒音の感じやすさ(上階の住人の家族構成、生活時間帯やスタイル、モラル)も、チェックすることが大切です。
例えば、角部屋であれば面する住戸が減ります。
最上階角部屋であれば3部屋、中階中部屋であれば8部屋になるので、無用なトラブルを避けるためにも部屋の所在位置は考慮しておくべき点です。
改善解決できる点はある程度大目にみる、できない点に関しては資産価値への影響の度合いを見極めて判断するのが、「損をしない」選び方です。
騒音やトラブルに関しては、投資目的の物件購入に限らず、居住目的、賃貸物件選びの際にもチェックすることをお勧めします。
不動産投資における災害リスク対策には「ハザードマップ」を活用!
自然災害による被害リスク
不動産投資にリスクはつきもの、とまでは言わなくとも、避けて通れないものであることは間違いありません。
中でも甚大なのは、自然災害による被害リスクです。
先の熊本地震、そして東日本大震災、大雨による広島での土砂災害は記憶に新しいところですが、日本各地でたびたび起こる様々な自然災害から見ても、日本国内にいる限り、自然災害によるリスクとは常に隣り合わせの状況にいると言えます。
メリット、デメリットの項で挙げた通り、不動産は他の投資に比べて変動や流動性は低いものの、価値そのものは高いことが魅力であり、強みでもあります。
しかし、投資に当たって大きな資金を投入し、リフォーム費用や管理費などを負担する上で、災害による物件の損傷はもちろん、周辺環境が一変するなどといった事態があれば、損益や資産価値の暴落は避けて通れないものとなります。
また、地震などの災害の被害リスクが高い地域・土地となると、資産価値はどうしても低くなってしまい、買い手がつかないケースや、買い手がつきにくく損失が出るという可能性も低くありません。
不動産投資で購入する物件は、その周辺の地形、自然環境、地盤の状態といった土地の状態や環境が、利益や投資の成否に大きな影響を及ぼします。
自然災害によるリスクに関しては、事前にある程度把握しておくことと、万一の事態を想定して対策を立てておくことは必須と言えます。
液状化などで地盤が弱く、震災による倒壊の危険性が高い地域では、物件情報内に「傾きあり」などといった注釈が記されている物件が、地盤の強い地域に比べて多いという特徴があります。
危険度が高く、傾きがあるとなれば買い手がつきにくいケースも多く、ついても安値で利益が得られないこともあります。
ハザードマップの活用
災害によって物件が被るリスクの把握方法の一つとして、十分に活用できるのが「ハザードマップ」です。
ハザードマップとは、地方自治体が調査してまとめた洪水、津波、火山噴火、地震といった自然災害の発生を想定した上で、地域住民の安全を守るための避難経路や避難場所の他、被害予想や危険区域を示した地図の名称です。
また、投資目的の不動産は、自宅などの居住用の不動産に比べて、災害による公的補償が少ないこともあります。
災害発生の確率や被害予想を把握しておくことで、損害の度合いをある程度予測することも可能です。
あらかじめ想定しておくことで、リスクを最低限に抑えられますし、賃貸として貸し出す場合は、事前に対策や備えをすることで入居者の安全を確保できるとともに、信頼関係を築くことも可能となります。
ハザードマップは各地方自治体の窓口、またはHPでダウンロードすることも可能で、無料で入手できるので活用をお勧めします。
まとめ
不動産投資における物件選びの概要やメリット、デメリット、リスク対策についてご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。
一口に不動産投資と言っても、そう簡単に利益を上げられるものではなく、様々な障壁を乗り越えながら、運用を行っていくことになります。
そういった中で必要な知識を身につけて、適切な対応を取ることで、リスクを最小限に減らし、効果的な不動産投資を行うことができるようになります。
不動産投資を考えている場合、まずは適切な知識を身につけ、専門家に相談するなどしてから投資を行うようにしましょう。
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